越後湯沢は15km圏に21カ所。いちばん雪が多い山が、いちばん雪質が悪い

世界で最も雪が多いスキー場10カ所のうち4カ所が、この谷にあります。同じ谷の中で、雪が降るときの気温は−7.5℃から−0.3℃まで7度違い、雪が多いのは暖かいほうです。

東京駅から新幹線でおよそ80分。越後湯沢に着くと、駅から歩いてリフトに乗れるスキー場があります。

その駅から15km以内に、21カ所のスキー場があります。うち4カ所は、世界の降雪量ランキングで4位に並びます。

こんな場所は他にありません。それなのに、この谷について書かれているものは「ガーラ湯沢は行きやすい」で止まっていて、その日を決める要素が抜けています。

この谷

スキー場距離平年の降雪世界順位雪質順位上端
ガーラ湯沢0km610cm30位192位1,016m
湯沢高原2.0km610cm30位179位922m
石打丸山2.4km686cm18位173位912m
一本杉2.5km686cm18位247位436m
NASPA3.4km610cm30位211位695m
石打花岡4.6km686cm18位263位342m
岩原5.2km755cm4位183位954m
舞子5.3km686cm18位219位687m
神立高原5.6km610cm30位136位1,062m
みつまた6.6km593cm42位129位1,031m
湯沢パーク7.3km755cm4位229位644m
湯沢中里7.5km755cm4位201位801m
中里スノーウッド8.0km755cm4位210位712m
上越国際9.1km686cm18位193位896m
かぐら9.7km543cm57位11位1,849m
田代12.0km448cm117位8位1,717m

これに15km以内であと5カ所。アルプスにもロッキーにも、日本の他のどこにも無い密度です。

右の2列を並べて読んでください

**世界4位の4カ所は、雪質では395カ所中183位・201位・210位・229位。**そして谷でいちばん雪質が良い2カ所——全国8位と11位——は、いちばん雪が少ない2カ所です。

理由はこれです。

カ所数平年の降雪雪質順位雪の日の気温
上端が1,000m以上5593cm129位−2.6℃
上端が1,000m未満15686cm201位−1.4℃

同じ谷の、12km離れた両端では、こうなります。

上端平年の降雪雪の日の気温
田代1,717m448cm−7.5℃
かぐら1,849m543cm−6.7℃
一本杉436m686cm−0.5℃
石打花岡342m686cm−0.3℃

**1つの谷の中で、雪が降る日の気温が7度違います。**しかも低いほうが、1シーズンで50cm近く多く降ります。

それが現場で何を意味するか

−0.3℃で降る雪は重い。締まりやすく、気温が0.5度上がれば雨に変わります。この谷の下のほうが、日本で最も雪が多い場所のひとつでありながら、最も雨が多い場所のひとつでもあるのはそのためです。

−7.5℃で降る雪が、世界中から人が飛行機で来る理由のほうです。

越後湯沢には、その両方が12km以内にあります。

どれを選ぶか

**1日だけで、雪質を取るなら、かぐらか田代。**395カ所中8位と11位。谷のいちばん奥で、いちばん高い場所です。シーズンも下より長く保ちます。

**1日だけで、移動を減らすなら、ガーラ湯沢。**新幹線を降りてそのままゴンドラに乗れます。雪質は192位で真ん中ですが、車も乗り換えも無しに東京から日帰りできる場所として、日本に代わりはありません。

**1週間いるなら、下に泊まって上を滑る。**宿と食事と駅は谷の底に、雪は谷の上にあります。滑りたい山の上に宿を取るより、車か路線バスを前提にしたほうが良いという話です。

**そして降雪ランキングで選ばないこと。**この谷では、ほぼ逆の案内になります。岩原は755cmで世界4位、雪質183位。田代は448cmで世界117位、雪質8位です。

数字の出どころ

降雪量は Open-Meteo の過去データ(ERA5再解析)から、直近3シーズン(12〜3月)の平均を、世界3,108カ所に同じ計算で当てたものです。日本の山では実測より小さく出ます(気象庁63地点との突き合わせで平均56%)。順位のほうを信じてください。

雪質は当サイトの指標で、**降った量は入れていません。**雪の日の気温・5cm以上降る日の割合・雨の日・風から出しています。気温は各スキー場の中間標高に補正しています。降雪の順位とわざと食い違うように作ってあり、実際、両端で大きく食い違います。

距離はガーラ湯沢からの直線で、移動時間ではありません。この谷では道が川沿いに回るので、実際はもっとかかります。標高は地表を測った値で、スキー場の公表値ではありません。

注意が2つ。気象の格子1つがこれらのスキー場のいくつかをまとめて覆うため、近いもの同士は雨の日の割合が同じ値になり、気温(標高補正あり)でしか分かれません。そして21カ所のうち雪質の数字があるのは20カ所で、1カ所は小さすぎて測れていません。

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