白馬でいちばん有名なスキー場が、谷でいちばん雪が少ない。差は265cm
白馬バレーの10カ所を同じやり方ではかると、平年の降雪量は453cmから718cmまで開きます。宿がいちばん多く、名前がいちばん知られている山が、その下から2番目にいます。
白馬に行くと決めたあと、どのスキー場にするかは、たいてい名前か、宿のシャトルが行く先で決まります。
雪の量で決めている人は、あまりいません。決めようにも、並べた数字がどこにも無いからです。
白馬バレー10カ所の平年降雪量
| スキー場 | 平年の降雪 | 全国順位 | 雪質順位 | 上端 | 宿 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白馬47 | 718cm | 10位 | 20位 | 1,651m | 1軒 |
| 白馬岩岳 | 718cm | 11位 | 51位 | 1,150m | 9軒 |
| 栂池高原 | 718cm | 13位 | 19位 | 1,602m | 21軒 |
| 白馬岩岳コルチナ | 685cm | 21位 | 74位 | 1,100m | 1軒 |
| 白馬乗鞍 | 685cm | 22位 | 36位 | 1,562m | 10軒 |
| 白馬五竜 | 465cm | 62位 | 87位 | 1,632m | 1軒 |
| 鹿島槍 | 465cm | 64位 | 100位 | 1,488m | 1軒 |
| 白馬八方尾根 | 453cm | 70位 | 101位 | 1,722m | 79軒 |
| 白馬さのさか | 453cm | 71位 | 152位 | 1,203m | 1軒 |
いちばん多い山は、いちばん少ない山の1.58倍降ります。
そして宿が79軒——隣のどこよりも一桁多く、外国人が名前を知っている唯一の場所——である八方尾根が、下から2番目にいます。
北の端が、はっきり多い
小谷村寄りの4カ所(コルチナ・乗鞍・栂池・岩岳)は685〜718cmで揃っています。南寄りの八方尾根とさのさかは453cmです。
理屈は単純で、日本海を渡ってきた寒気が谷の北端に先に届き、そこで多く落とすからです。
**ただし、きれいな法則ではありません。この谷の中で緯度と降雪を順位で見ると相関は0.44で、確かにあるけれども強くはない。白馬47が南寄りにありながら718cmと出るのが厄介で、しかもこの数字は記事末に書いたとおり、この谷で最も当てにならない値です。「北の4カ所が八方・さのさかより確実に多い」**までが安全な読み方で、「1km北へ行くごとに雪が増える」ではありません。
評判と雪がいちばん食い違う場所
**白馬岩岳コルチナ。**685cm、全国21位。5cm以上降る日が冬の37%あり、これは全国395カ所中18位です。地図に載っている宿は1軒、そしてWikipediaの記事がどの言語にもありません——英語にも、日本語にも。
**栂池高原。**718cm、全国13位。雪質は395カ所中19位で、量と質の組み合わせは谷でいちばん良い。宿21軒。日本語版の記事はありますが、英語版はありません。
**八方尾根。**453cm、70位。宿79軒、8言語のWikipedia記事。谷でいちばん知られている場所です。
八方が悪い山だという話ではありません。上下の標高差は960mで、単独のスキー場としては谷で最大。1週間過ごせる設備が揃っているのもここだけです。ただ、雪そのものを目当てに白馬を選んだのなら、谷の反対の端を取っています。
どうすればいいか
**八方に泊まって、北を滑る。**多くの人にとってはこれが答えです。宿と食事とバスは八方にあり、雪は栂池とコルチナにある。谷のシャトル網は、まさにそのために走っています。
**1日しか無くて、前の晩に降ったなら、北へ。**受け止めているのはコルチナと栂池です。
**深さより雪質を取るなら栂池。**395カ所中19位は上位5%にあたります。冷たく、よく降り、比較的乾いている。
**そして共通リフト券を「同じ山」の証拠にしないこと。**1枚の券が、平年で265cm違い、雪質の全国順位で130位違う場所をまとめて覆っています。
数字の出どころ
降雪量は Open-Meteo の過去データ(ERA5再解析)から、直近3シーズン(12〜3月)の平均を、世界3,108カ所すべてに同じ計算で当てたものです。日本の山では実測より小さく出ます——気象庁の63地点と突き合わせて、平均で実測の56%しか返らないことを確かめてあります。ですので行と行の差を読んでください。cmそのものは低めです。
雪質は当サイトの指標で、雪の日の気温・5cm以上降る日の割合・雨の日・風から出しています。**降った量は入れていません。**だから降雪10位で雪質20位、降雪70位で雪質101位といった並びが出ます。重みの置き方は当社の判断で、物理から導いたものではありません。保証できるのは395カ所すべてが同じ計算を通っていることだけです。
この谷に固有の注意が1つ。白馬五竜と白馬47は地形としてつながっていて共通券も出ていますが、当サイトのデータは地図の描かれ方に従って3つの項目(それぞれと、合わせたもの)として持っています。座標が入る格子が違うため、降雪量の値もばらつきます。この3つは「幅のある1カ所」として読んでください。
宿は OpenStreetMap に載っている12km以内の施設数で、部屋数ではなく建物の数です。人が集まる場所ほど地図が細かいので八方に有利、静かな北端に不利に出ますが、順序が入れ替わるほどではありません。
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