日本のリフト2,118基のうち1,920基が同じ機械。次に多い国でも61%です
世界2,888カ所のリフトを地図から数えました。日本はチェアリフトが91%。ゴンドラ5%、引き上げ式2%、動く歩道2%。385カ所のうち253カ所は、チェアリフトしか持っていません。
ヨーロッパで滑ったあとに日本に来ると、リフトまわりが妙に単純に感じます。理由を言葉にできる人は、あまりいません。
機械が1種類しか無いからです。
世界2,888カ所のスキー場について、地図に描かれているリフトを数えました。日本は2,118基のうち1,920基がチェアリフト。上りの9割が、たった1つの設計で担われています。
他の国は、どこも近くありません
| カ所 | リフト | チェア | ゴンドラ系 | 引き上げ式 | 動く歩道 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 385 | 2,118 | 91% | 5% | 2% | 2% |
| アメリカ | 430 | 3,093 | 61% | 3% | 15% | 19% |
| カナダ | 134 | 698 | 52% | 3% | 22% | 21% |
| イタリア | 183 | 1,895 | 41% | 16% | 22% | 19% |
| オーストリア | 247 | 2,468 | 29% | 18% | 41% | 12% |
| フランス | 240 | 3,727 | 28% | 9% | 50% | 11% |
| スイス | 286 | 2,205 | 21% | 15% | 53% | 9% |
| スウェーデン | 66 | 611 | 12% | 1% | 76% | 10% |
| フィンランド | 50 | 311 | 9% | 2% | 75% | 10% |
**日本と2位のアメリカの差が30ポイント。**2位と最下位の差が52ポイント。日本は分布の端にいるのではなく、1カ所だけ離れて立っています。
平均の話だけではありません。**地図に載っている385カ所のうち253カ所——3分の2近く——が、チェアリフトしか持っていません。**ゴンドラも、引き上げ式も、動く歩道も無い。1種類が繰り返されているだけです。
日本に「無いもの」3つ
**ゴンドラが少ない。**箱に入って上がれるリフト(ゴンドラ・ロープウェイ・その併用)を持つのは385カ所中82カ所だけ。オーストリアはリフトの18%がこの種類で、日本は5%です。
**引き上げ式がほぼ消えている。**立ったまま引かれる型は2,118基中49基(うち3分の2はロープトウ)で、33カ所に散らばっているだけ。フランスは全リフトの半分がこれです。
**そして動く歩道も少ない。**これが意外なほうです。アメリカは576基、全リフトの19%を動く歩道が占めます。日本は37基、28カ所。日本でスキーを覚えるということは、他のどこよりも早くチェアリフトに乗るということです。
中国は正反対に振り切れています
同じ数え方を中国に当てると、他のどこにも無い構成が出ます。
| 中国のリフト | ||
|---|---|---|
| 動く歩道 | 281基 | 50% |
| チェアリフト | 125基 | 22% |
| ゴンドラ | 115基 | 20% |
| その他 | 43基 | 8% |
**中国のスキー場のリフトの半分が、初心者用のベルトコンベアです。**ゴンドラを足すと——滑れない客を箱に乗せて景色まで運ぶ設備ですから、同じ目的です——70%が「まだ滑れない人」のためのものになります。
日本の2%と中国の50%は、同じ機械が正反対の問いに答えた結果です。片方の国の客はもう滑れる。もう片方は、何百万人が今から始めようとしている。
日本で滑るときに、これが何を意味するか
**チェアリフトに乗ると思っておくこと。**たまにではなく、ほぼどのスキー場でも、上がるほとんどの高さぶんを。チェアリフトは造るのがいちばん安く、維持費も安いほうです。そして日本のスキー場は小さい(コースの総延長は中央値で12km)ので、その規模に見合う機械が繰り返し建った、ということだと考えられます。設置年のデータは持っていないので、いつのものかは書きません。
**初心者は、国ではなくスキー場を見ること。**動く歩道が少ないぶん、有る山と無い山の差が大きく出ます。動く歩道のある28カ所は、残る357カ所よりはっきり優しい入口です。
**寒いのが苦手なら、そこを計画に入れること。**箱に入れるリフトを持つ82カ所は、誤差ではなく実在する分類で、海外から名前を聞いたことのある場所はだいたいここに含まれます。よく降る日——日本ではそれが普通の日ですが——上りの時間を屋内で過ごせるかどうかは、パンフレットから受ける印象より効きます。
数字の出どころ
リフトの数は OpenStreetMap に描かれているものを、各スキー場の中心から地図上の広さに応じた半径以内で数えた値です。**スキー場の公表値ではなく、一致もしません。**比較が成り立つのは、2,888カ所すべてを同じやり方で数えているからです。
種類は OpenStreetMap の分類をそのまま使い、ゴンドラ・ロープウェイ・併用式をまとめて「ゴンドラ系」、Tバー・Jバー・皿型・ロープトウ・その他の引き上げ式をまとめて「引き上げ式」としています。利用者にとって、それより細かい区別は要らないためです。
注意が2つ。地図への描き込みの細かさは地域によって違います。アルプスは細かく、それ以外は粗い。だから実数は描き込みの薄い地域で低めに出ます。割合のほうが信用できます。そして地図にあるリフトが動いているとは限りません。季節運行のものも、閉鎖されたまま消されていないものもあります。これはどの国にも同じようにかかるので、やはり割合のほうが持ちこたえます。
地図上のスキー場が20カ所未満、またはリフトが100基未満の国は表から外しています。
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