北海道は本州より降る日が少ない。それでも北海道が選ばれる理由は、雨の日数にあります
5cm以上降る日は北海道が年12日、本州以南が21日。降る回数では本州が勝ちます。北海道が勝つのは雨で、8%対21%。全395カ所を同じ方法で測ると、この2つは正反対を向いていました。
「北海道は雪が多い」と言われます。数えてみると、そうではありませんでした。
全国395カ所について、5cm以上降った日が1シーズンに何日あるかを同じ方法で数えました。
| カ所 | 5cm以上の日 | 雨の日 | 雪の日の気温 | |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 86 | 12日 | 8% | −4.5℃ |
| 本州以南 | 309 | 21日 | 21% | −3.1℃ |
降る回数では本州のほうが多く、ほぼ倍です。 平年の降雪量も本州299cm、北海道210cm で本州が上でした。
北海道が勝っているのは、いちばん右の2列です。
同じ「雪が多い」でも中身が違う
代表的なところを並べます。
| 降雪 | 5cm以上の日 | 雨の日 | |
|---|---|---|---|
| 野沢温泉 | 510cm | 34日 | 37% |
| 白馬八方尾根 | 453cm | 33日 | 22% |
| 安比高原 | 413cm | 30日 | 10% |
| キロロ | 344cm | 21日 | 6% |
| ニセコグラン・ヒラフ | 315cm | 21日 | 7% |
| 蔵王温泉 | 297cm | 20日 | 13% |
| 富良野 | 222cm | 11日 | 8% |
| ルスツ | 199cm | 12日 | 8% |
野沢は年34日、ニセコは21日です。 新雪に当たる回数だけで選ぶなら、野沢や白馬のほうが多く当たります。
そのかわり、野沢では冬の3日に1日以上、雨が降ります。 ニセコは14日に1日です。
富良野とルスツは年11〜12日しかありません。これは「雪が少ない」のではなく、そもそも降水そのものが少ないためです。日本海側の豪雪地帯とは、雪の届き方が違います。
なぜこうなるのか
日本海側の本州は、シベリアからの冷たい空気が暖かい日本海を渡って水分を含み、山にぶつかって落とす場所です。水分の量が桁違いに多いので、降る回数も量も多くなります。
ただし新潟や長野の主要なスキー場は標高が低く、暖かい。同じ空気が、気温が1℃違うだけで雨に変わります。 野沢の37%はそういう数字です。
北海道は水分の供給では劣りますが、気温がそこまで上がりません。 降れば雪のまま落ちてきます。
両方そろう場所は395カ所中15カ所
条件を2つ置きました。年25日以上降り、かつ雨が12%以下。
| 5cm以上の日 | 雨の日 | ||
|---|---|---|---|
| 43日 | 8% | 暑寒別岳 | 北海道 |
| 40日 | 11% | 戸隠 | 長野県 |
| 36日 | 11% | 岩内 | 北海道 |
| 35日 | 11% | 秋田八幡平 | 秋田県 |
| 33日 | 11% | 田代 | 新潟県 |
| 32日 | 7% | チセヌプリ | 北海道 |
| 32日 | 11% | 川場 | 群馬県 |
| 31日 | 10% | 八甲田国際 | 青森県 |
| 30日 | 11% | 竜王 | 長野県 |
| 30日 | 10% | 安比高原 | 岩手県 |
名前を知られているのは安比だけで、それも10番目です。
戸隠は長野市内にあり、新幹線の駅から12kmという場所で、年40日・雨11%を記録しています。この2つが両立する場所は、それほど多くありません。
どう選ぶか
日程が短いなら、降る回数を優先してください。 5日間で新雪に当たる確率は、野沢と白馬が80%、ニセコとキロロが61%、富良野が37%です。1週間より短い旅なら、この差は小さくありません。
日程に余裕があるなら、雨の少なさを優先してください。 2週間もあれば61%でもほぼ確実に当たります。そうなると、当たった雪がどういう雪かのほうが効いてきます。
「北海道だから雪が多い」とは考えないでください。 実際は降る量も回数も本州のほうが上で、北海道の強みは降ったものが雨に変わらないことです。そこは本物で、日本でいちばんです。ただし理由が違います。
測り方について
5cm以上の日は、ERA5 という再解析データで直近3シーズン(12月〜3月)の日ごとの降雪を数え、3で割ったものです。5cmという線は当サイトの判断で、標準的な決まりがあるわけではありません。10cmに引き直しても順番はおおむね変わらず、日数だけが減ります。
このモデルは山の雪を実際より少なく見積もります。 気象庁の63地点と突き合わせたところ、実測の56%程度しか返しません。つまり本当の日数はどの場所でも表の数字より多いはずです。全395カ所に同じだけかかる偏りなので、比較は読めます。
格子は30km四方なので、湯沢の複数のスキー場は同じ数字になります。雨の日は1mm以上の雨が降った日です。
5日間の確率は日ごとに独立と置いた計算です。雪は嵐でまとまって降るので、この置き方は甘めに出ます。 順番は信用できますが、確率そのものは上限だと思ってください。
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