初めてのスキーに向くスキー場。初級コースの多さと、近くの温泉で選ぶ

日本のスキー場は、整備されたコースの長さの49%が初級。アメリカの25%、カナダの28%の倍近くです。そして全国397カ所のうち255カ所は、5km以内に温泉の源泉があります。初めての人が、やさしいコースと温泉の両方を得られるスキー場を数字で選びました。

日本のスキーは、海外では腰まで埋まる新雪とツリーランで知られています。上級者向けの国だと思われがちですが、数字で見るとほぼ逆です。

OpenSkiMap(OpenStreetMap をもとにしたスキー場の地図)には、日本の361カ所のコースが、各スキー場の難易度付きで描かれています。これを国ごとに合計しました。

日本のコースの半分は初級

国整備されたコースのうち初級の割合(長さ)スキー場
ノルウェー61%99
スウェーデン61%52
フランス58%208
日本49%361
スペイン47%30
ドイツ46%66
オーストリア45%223
スイス41%263
イタリア36%159
カナダ28%121
アメリカ25%390

初級は、地図で「初心者向け」「初級」とされているコースを合わせたものです。

日本の初級の割合は、アメリカのほぼ2倍で、オーストリア・スイス・イタリアより高くなっています。コースのある361カ所のうち156カ所(43%)は、コースの長さの半分以上が初級です。

ただし、大事な注意が1つあります。難易度は、スキー場がそれぞれ自分の山を基準に付けています。国が変われば物差しも変わり、日本の中級とフランスの中級は同じではありません(難易度は国境を越えない(英語))。この表が示しているのは、日本の斜面が世界共通の物差しで本当にゆるいということではありません。日本のスキー場が、自分の山の多くを「初級」と案内しているということです。海外から客が来るずっと前に、国内の初心者に向けて造られたスキー場が多いからだと考えられます。

そして、ふもとに温泉がある

アルプスにもロッキーにもないのが、ここです。産業技術総合研究所の温泉の分析データ(地熱情報データベース)を使い、全国のスキー場ごとに近くの源泉を数えました。

全国397カ所のうち255カ所(64%)は、5km以内に源泉があります。10カ所以上ある場所は15カ所です。

初めてのスキーは、3〜4時間転んでばかりです。転んだあとに温泉に浸かれるかどうかで、同じ1日がまったく違うものになります。

やさしいコースと温泉の両方がそろう場所

コースが12本以上あり、初級が半分を超えるスキー場から、近くに源泉がある場所を中心に選びました。

スキー場初級の割合コース平年の降雪5km以内の源泉ライブカメラ
猪苗代(福島)89%32258cm6あり
グランデコ(福島)84%21379cm——
みやぎ蔵王えぼし(宮城)84%23254cm3あり
田代(新潟・かぐら)84%23447cm3あり
蔵王温泉(山形)76%91258cm2あり
大鰐温泉(青森)72%14233cm8あり
岩手高原71%12332cm6—
赤倉温泉(妙高)68%27445cm6—
志賀高原 横手山61%21333cm7あり
妙高杉ノ原61%22357cm7あり

コースの本数と初級の割合は地図に描かれたもので、スキー場の公表値とは一致しません。

表から2つのことが言えます。

ほとんどが本州です。海外の客が最初に予約するニセコ・ルスツ・富良野は、ここまで初級に寄っていません。北海道の温泉は、ふもとというより車で行く先にあることが多いです。やさしい斜面と近くの温泉がいちばんそろうのは、東北と長野・新潟の温泉地です。

蔵王温泉は、よくある悩みを解決します。初心者向けのスキー場はたいてい小さく、3日で飽きます。蔵王は地図上で91本・39km、その4分の3が初級で、ふもとに温泉街があり、上には樹氷があります。初めての人と滑れる人が同じ週を過ごしても、どちらも退屈しにくい場所です。

雪の量も見てください。12月や雪の少ない年に行くなら、赤倉温泉や田代のように平年の降雪が多い場所のほうが、コースがそろって開きやすくなります。どの年でも雪が残りやすい場所は、暖冬の年でも雪が残るスキー場にまとめています。

値段とオープン日

  • 1日券は、蔵王温泉が今シーズンの繁忙期で9,000円、赤倉温泉の隣の赤倉観光リゾートが7,000円です。各スキー場で確かめた値段はリフト券のページに、安く買う方法はリフト券をいちばん安く買う方法にあります。
  • 今シーズンは札幌国際が11月20日、サッポロテイネが21日、ほかの北海道の主なスキー場が11月28日、白馬八方尾根が12月1日に開きます(2026/27シーズンのオープン日)。
  • 全国128カ所のスキー場が、公式のライブカメラでゲレンデを見せています。ライブカメラの一覧から、出かける前に斜面を確かめられます。

測り方

  • コースの本数・長さ・難易度は OpenSkiMap(OpenStreetMap のデータ、ODbL)から、コースのデータがあるスキー場ぶん国ごとに合計しました。初級は、地図で「初心者向け」「初級」とされているコースを合わせたものです。
  • 降雪量は ERA5 再解析の12〜3月の降雪を、直近12冬(2014/15〜2025/26)で平均したものです。モデルの値なので、実測より低く出ます。
  • 源泉は、産業技術総合研究所 地質調査総合センターの地熱情報データベース(温泉分析値データ)を加工し、各スキー場から5km以内を数えました。入れる温泉施設の数ではなく、分析された源泉の数です。
  • リフト券の値段とオープン日は、各スキー場の公式サイトで確かめたものです。

出典:Open-Meteo の過去の気象データ(ERA5 再解析、コペルニクス気候変動サービス)、OpenSkiMap、地図データ © OpenStreetMap の協力者(ODbL)、産業技術総合研究所 地質調査総合センター「地熱情報データベース」。

よくある質問

初心者が1週間いても飽きないスキー場はどこですか?

蔵王温泉です。地図上で91本・39kmのコースがあり、その76%が初級で、ふもとに温泉街があります。初心者と滑れる人が同じ週を過ごしても、どちらも退屈しにくい場所です。

日本のスキー場は、海外より初級コースが多いのですか?

地図に描かれたコースの長さで比べると、日本は49%が初級で、アメリカの25%の約2倍です。ただし難易度はスキー場ごとに自分の山を基準に付けているので、国をまたいで同じ物差しではありません。

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