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同じ県のなかで、雪の量は11倍違う。長野の白馬47は668cm、ひらや高原は59cm

「長野県だから雪が多い」は成り立ちません。12冬そろう361カ所を県ごとに並べると、長野は白馬47の668cmとひらや高原の59cmで11.3倍でした。

「長野県だから雪が多い」と考えて行き先を決めると、外すことがあります。同じ県のなかでも、雪の量は場所によって何倍も違うからです。

営業中で12シーズンすべての値がそろう全国361カ所を、都道府県ごとに並べました。いちばん差が大きかったのは長野県で、白馬47の668cmとひらや高原スキー場の59cmで11.3倍。群馬県は5.3倍、新潟県は5.2倍でした。全国361カ所の中央値は252cmです。

長野県の62カ所、上と下で11倍

長野県のスキー場を、12シーズンの平均降雪が多い順に並べた一部です。

スキー場12冬の平均降雪
白馬47668cm
白馬コルチナ635cm
戸隠553cm
野沢温泉450cm
白馬八方尾根414cm
志賀高原255cm
菅平高原ダボスの岡153cm
軽井沢プリンスホテル81cm
ひらや高原59cm

12シーズン(2014/15〜2025/26)の12〜3月の合計を平均した、気象モデル(ERA5)の計算値です。

白馬47・白馬岩岳・栂池高原は、同じ668cmです。これは3カ所が同じ気象モデルの格子(10〜30km四方)に入るためで、実際の降雪が完全に同じという意味ではありません。近接するスキー場どうしの差は、この数字では分かりません。

長野県の中央値は318cmです。白馬や戸隠、野沢のような日本海側の山が上位を占める一方、軽井沢・伊那・蓼科の高原は100cm前後まで下がります。同じ県のなかで、雪の降る仕組みが違うということです。

県ごとの開き

スキー場が5カ所以上ある県について、いちばん多いスキー場と少ないスキー場を並べました。

県カ所いちばん多いいちばん少ない開き
長野62白馬47 668cmひらや高原 59cm11.3倍
群馬22川場 423cm赤城山第1 80cm5.3倍
新潟45奥只見丸山 765cm佐渡市平 148cm5.2倍
北海道82暑寒別岳 416cm安平山 114cm3.6倍
岩手11安比高原 377cm赤羽根 109cm3.5倍
山形16月山 655cm八森山 213cm3.1倍
秋田13鳥海高原矢島 467cm薬師山 160cm2.9倍
岐阜16平湯温泉 384cm母袋温泉 132cm2.9倍
福島18町営只見 482cm二本松塩沢 170cm2.8倍
滋賀7余呉高原 249cmびわ湖バレイ 98cm2.5倍
青森8八甲田国際 371cm田子町創遊村229 176cm2.1倍
鳥取5わかさ氷ノ山 205cm安蔵公園 108cm1.9倍
宮城8オニコウベ 260cmスプリングバレー泉高原 146cm1.8倍
兵庫10ハチ高原 237cmちくさ高原 139cm1.7倍
広島7やわたハイランド191 125cm女鹿平温泉めがひら 74cm1.7倍

「開き」は、いちばん多いスキー場の降雪量を、いちばん少ないスキー場の降雪量で割った値です。

開きが大きい県は、県のなかに日本海側の山と、内陸の高原の両方を持っています。長野・群馬・新潟がそうで、北海道・岩手・山形は3倍台、西日本は2倍以下です。

なぜ同じ県で11倍になるのか

雪の量を決めるのは、標高よりも日本海から雪雲が来るかどうかです。

長野県の北西部(白馬・小谷・戸隠・野沢)は、冬型の気圧配置のとき日本海から流れてきた雪雲が山にぶつかる側です。いっぽう軽井沢・伊那・蓼科は内陸の高原で、冬型のときは山に遮られて晴れやすく、雪は本州の南を通る低気圧(南岸低気圧)が運んでくることが多くなります。エルニーニョの冬に高原の雪が増える理由も、同じ仕組みです。

新潟県でも、山の中の奥只見丸山は765cm、日本海の佐渡市平は148cmです。群馬県は、日本海側の川場が423cm、内陸の赤城山第1が80cmでした。「県」は、雪の量をまとめる単位としては粗すぎます。

県で選ばず、谷で選ぶ

行き先を決めるときに使えるのは、県名ではなく谷と山の名前です。

各スキー場のページには、12冬のうちいちばん少なかった冬と多かった冬の降雪も出しています。雪の多い年だけでなく、少ない年にどれだけ残るかは、暖冬の年でも雪が残るスキー場で比べました。

数字について

  • 対象は、日本のスキー場のうち営業中で12シーズンすべての値がそろう361カ所です。閉鎖したスキー場は数えていません。
  • 降雪は、気象モデル(ERA5再解析、Open-Meteo 経由)の12〜3月の合計を、2014/15〜2025/26の12シーズンで平均した計算値です。日本の山では実測の約6割にとどまるため、cmの絶対値をスキー場の発表と並べず、順位や倍率として読んでください。
  • 同じ気象格子に入るスキー場は同じ値になります。白馬47・白馬岩岳・栂池高原が同じ668cmなのはそのためです。
  • 県は当サイトの都道府県の区分です。「開き」は、いちばん多いスキー場の値をいちばん少ないスキー場の値で割ったもので、四捨五入しています。

出典: Open-Meteo(ERA5、コペルニクス気候変動サービス)/気象庁「日本の気候変動2025」第6章 雪

よくある質問

同じ県のなかで、雪の量はどれくらい違いますか?

いちばん差が大きいのは長野県で、白馬47の668cmとひらや高原スキー場の59cmで11.3倍でした。群馬県は5.3倍、新潟県は5.2倍、北海道は3.6倍です。

なぜ同じ長野県で11倍も違うのですか?

長野県の北西部は日本海から雪雲が流れ込む山で、軽井沢や伊那の高原は内陸で雪雲が届きにくいためです。標高が高いかどうかより、日本海側の山か、内陸の高原かで分かれます。

白馬のスキー場が同じ668cmなのはなぜですか?

白馬47・白馬岩岳・栂池高原は、気象モデル(ERA5)の同じ10〜30km四方の格子に入るため、同じ値になります。近接するスキー場どうしの優劣は、この数字では分かりません。

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